還付金詐欺の最新手口と見分け方|「ATMで還付金」と言われたら100%詐欺です
還付金詐欺の最新手口を、被害額データとともにわかりやすく解説。役所や年金事務所をかたる電話の見分け方、家族でできる対策、迷ったときの相談先まで。1分でわかる判断ポイントつき。

この記事の要点
• 「ATMで還付金を受け取れる」と言われたら、その時点で100%詐欺です。
• 2025年の特殊詐欺被害額は1,423億円と過去最悪、ニセ警察詐欺が急増しています。
• 手口は「還付金がある」と急がせ、ATM操作で実は振り込みをさせるもの。最近はネットバンキングを使う手口も出ています。
• 留守番電話設定と「ATM」「還付金」「今すぐ」の合言葉、一人で判断しないことが有効な対策です。
「医療費の払い戻しがあります」「保険料を返金します。近くのATMへ行ってください」——。
役所や年金事務所の職員を名乗る、こんな電話に心当たりはありませんか。
これは還付金詐欺(かんぷきんさぎ)という、長年なくならない詐欺の手口です。
この記事では、最新の傾向と、たった一つの合言葉で見抜く方法をお伝えします。
まず結論:ATMで還付金は、絶対に受け取れません
いちばん大事なことを先にお伝えします。
「ATMで還付金を受け取れる」と言われたら、その時点で100%詐欺です。
ATM(現金自動預け払い機)は、お金を「払う・振り込む」機械です。
お金が戻ってくる(還付される)操作を、ATMでおこなうことは、そもそもできません。
役所も税務署も年金事務所も、還付金の受け取りのためにATMへ行くよう電話で指示することは、絶対にありません。
これだけ覚えておけば、還付金詐欺のほとんどは防げます。
なぜ被害が減らないのか——2025年は過去最悪に
こうした特殊詐欺の被害は、いま非常に深刻です。
警察庁の確定値によると、2025年(令和7年)の特殊詐欺の被害額は1,423億円にのぼり、前年から約704億円も増えて、過去最悪となりました(認知件数は2万7,832件)。
なかでも、警察官などをかたる「ニセ警察詐欺」が前年の約2倍に急増し、被害額は1,005億円に達しています。
「あなたの口座が犯罪に使われている」などと不安をあおる新しい手口が広がっているのです。
(出典:警察庁 SOS47 発生状況、nippon.com)
還付金詐欺の典型的な流れ
- 役所・税務署・年金事務所などの職員を名乗る電話がかかってくる
- 「還付金がある」「手続きの期限が今日まで」と急がせる
- 「ATMで手続きできます」とスーパーやコンビニのATMへ誘導する
- 電話でつながったまま、ATMの操作を細かく指示する
- 実際には、あなた自身の口座から相手にお金を振り込ませている
本人は「受け取っている」つもりでも、操作しているのは「振り込み」。
ここに、この詐欺の巧妙さがあります。
最新の注意点:ATMだけではありません
最近は、スマートフォンやパソコンのインターネットバンキング(ネットでの振り込み)を使わせる手口も出ています。
「ATMへ行かないから安心」とは言い切れなくなっているのです。
いずれにしても、電話でお金の操作を指示されたら、いったん切るのが鉄則です。
家族でできる、いちばん有効な対策
- 在宅中でも留守番電話に設定する。 相手と用件を確認してから、必要な場合だけ折り返します。詐欺の犯人は、メッセージを残さず切ることがほとんどです。
- 「ATM」「還付金」「今すぐ」の3語がそろったら詐欺、と家族で合言葉にしておく。
- 一人で判断せず、必ず誰かに相談してから動くと決めておく。
「本物かもしれない」と迷ったときのために
とはいえ、実際に電話や通知が来ると、「もし本当の手続きだったら困る」と不安になるものです。
その場でうまく断れず、言われるままに動いてしまう——これが被害の入口です。
通知やハガキは、写真に撮って相談を
役所からの本物のお知らせは、電話ではなく郵便の通知で届くのが基本です。
「生活放大鏡(あんしんカメラ)」なら、届いた通知やハガキをLINEで写真に撮って送るだけ。
書かれている内容の要点と、気をつけたい点を、やさしい言葉でお返しします。
「これは急いで支払う必要はなさそうです」「本物か確認するため、書いてある番号ではなく公式窓口へ連絡しましょう」——
そんなふうに、動く前のワンクッションをお手伝いします。
ふだんお使いのLINEに友だち追加するだけ。アプリのインストールも、むずかしい操作もいりません。
よくある質問(FAQ)
Q:役所が還付金の電話をかけてくることは、本当にないのですか?
A:還付の手続きは、原則として郵便の通知で案内されます。電話でATMへ誘導することはありません。電話が来ても、いったん切って、役所の公式な代表電話に自分からかけ直して確認しましょう。
Q:すでにATMの前まで来てしまいました。どうすれば?
A:操作をやめて、その場を離れてください。金融機関の窓口の方や、110番、警察相談専用電話「#9110」に相談を。ATMの近くにいる係の方に声をかけても構いません。
Q:お金を振り込んでしまいました。取り戻せますか?
A:すぐに振込先の金融機関と警察(110番)に連絡してください。早く動くほど、口座を凍結して被害を抑えられる可能性が高まります。あきらめず、まず連絡を。
Q:高齢の親が心配です。離れていてもできることは?
A:親の電話を留守番電話に設定しておく、合言葉を決めておくことが有効です。また、怪しい通知が来たときに親自身がすぐ相談できる窓口(家族やLINEの相談サービス)を、あらかじめスマートフォンに入れておくと安心です。